望郷

5月 29, 2007 11:27 pm | カテゴリー: Favourite | コメントをどうぞ

 ニッカウヰスキーの創業者・竹鶴政孝の妻がスコットランド人だったということを知っている人はそう多くないと思う。この本はリタの生涯、そして日本ウィスキーの父である竹鶴との愛を描いた小説だ。竹鶴政孝に関する書籍はいくつかあるものの、リタを主人公にしたものはこれ一つしかない。これしかないのであれば読まずにはいられない。

 21世紀になった今でも日本は保守的な国だと思う。他者を受け入れず、日本人以外を認めない気質、そして男尊女卑は今も尚続いている。もちろん表向きには開かれてはいるが、それは偽装である。日本人の根底にあるものはそう簡単には変わらない。

 リタがそんな日本に来たのは戦前のことだ。今よりももっと閉鎖的だったはず。彼女の決心がどれほどのものだったかは想像に難くない。そんな中彼女は着物を着、日本髪を結い、日本人になろうと努力した。祖国を捨てて日本人として生きたのだ。

 頭では理解している、それがどれほど大変だったか。しかし肌が受け入れない。感情移入出来ないのだ。それはなぜだろうとずっと考えていたのだが、もう一冊の本、竹鶴政孝について書かれた本を読み、その答えがはっきりした。それはこの本が森瑶子という女性作家によって書かれた本だからだ。物語に入り込めないのは私が男であるからにほかならない。

 読み手が女性ならもっと共感出来るはず。
是非ウィスキーを片手に、女性に読んで欲しい一冊だ。

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